中日新聞三重タイムス3月11日に掲載された文章に少し加筆したものです。
地震で大変な時期に、とも思いましたが
亡くなられた方々のご冥福を祈り、
未だにつらい思いをされている方には、
ほんの少しの気晴らしになれば幸い
と考えて載せさせていただきます。
酋長いちおしのレイプロデューサーUMAHANA作。ハワイ魂あふれたレイ。 www.umahana.com
『レイとハワイ魂』
ハワイ・ホノルルの空港に着くと可愛いロコガール=現地の娘さん(たまにおじさんだったりもしますが…)が首にかけてくれる色とりどりの美しい首飾り。そう、ご存知「レイ」です。
レイの起源はハワイに移住してきたポリネシア人がマルケサス諸島あたりから持ち込んだものと言われています。
「首飾り」だけではなく植物で作った頭にかぶる「冠」もレイ。
花や草木のほかに、高位の者しか身につけられない鳥の羽根でできたレイ、ククイの実や貝殻、そして動物などの骨、歯などでできたレイ、など多種多様なレイがあり、大切な儀式に身につけられ、ヘイアウ(神殿)などに捧げられました。
神様に捧げるものであったことからもわかるとおり、レイはとても尊い、ハワイアンの気持ちのこもったツールです。
祈りながら編み込み、祈りながら捧げる。
これがレイ、です。
レイのことを「愛」、と表現する人もいます。これは「愛する子供、夫婦、家族、恋人」のことをハワイ語では「LEI」と言ったりすることからはじまっています。
愛する子供を肩車すると、その子供の両足がちょうどレイをかけた状態にぶら下がるでしょう?この微笑ましいイメージを「LEI」と表現するのだそうです。
愛をもって自然、そして神に祈りをささげる時、ハワイアンは必ずレイをかけます。フラを踊る人たちが必ずレイを頭や首にかけているのはこれが理由です。神殿や彼らが大切にしている場所にレイを捧げたりもします。
自然と共存しながら、自然や神に感謝して、愛を持って生きていく。これが「レイ」であり「ハワイ魂」なのです。
この考え方は日本の「八百万の神」の考え方とほとんど同じです。
自然とは今回の地震のようにときにはすごく怖くて恐ろしいものにもなります。
ただ普段はわれわれ人間に栄養を与えてくれて生かさせてくれている優しくてわれわれには絶対に必要なものでもあります。
生かさせてくれていることに心から感謝し、
時に見せる怖くて絶対的で残酷な一面に畏敬の念を持ち、
ともに共存しながら幸せに暮らしていく。
自然に恵まれた(ていた)島国、という共通点がハワイと日本の哲学の根底にあったはずです。
「ハワイ魂」と「日本魂」…似ているところがたくさん見られる由縁です。
ネイティブハワイアンはわれわれが忘れてしまった「何か」を時々思い出させてくれます。
われわれもここらへんで一度立ち止まって深呼吸してみませんか?