最近「ホオポノポノについて話してください」とよくいわれます。
ヒューレン博士という人、そしてその本からの応用本が良く売れているからだと思います。
ハワイの智慧の数々で人が癒される、というのはとても素晴らしいこと。
おまけにわたしのお仕事もちょっと増えたし。ちょっと嬉しい(笑)
ただ困ったのは、多くの皆さんが 「ホオポノポノっていうのは『ホ・オポノポノ』って書くのが本当なんですよね」 とか 「『ありがとう』『ごめんなさい』『愛してます』『許して下さい』っていうと幸せになるんですよね」 とか そんな知識を持ってしまってることなんです。
まずは、ハワイの中でホオポノポノがどういうものであったのか、から簡単にお話しましょう。
まあ、5分で説明できるような浅い内容ではないんですけど、なんとなくアウトラインだけでもおぼろげにわかるように書いてみました。
これはハワイのヒーリングについて古文書やインタビュー記事から書かれたいくつかのハワイの原書からまとめたものです。
古代のハワイアンは、体や心からマナ(色々な形のエネルギー)が無くなってしまうと病気になる、って考えていた。
そしてマナは家族の中で、わだかまりや争いごとがあるとマナが無くなる、つまり病気になるんだって信じていた。
だから健康を保つためには、家族が平穏無事に丸く収まっていなければならない。
昔のハワイアンは「オハナ」という家族…とはいっても血族が集まった大人数の家族で構成されていて、各々が生きるための役割を持っていた。
だから一人でも欠けたり、オハナ内にわだかまりがあると生死にかかわる問題だったわけ。
そんなこともあってオハナ内の平和がとても大切だった。
そこでできたのが「ホオポノポノ」という儀式。
オハナの中で何かわだかまりや諍い(いさかい)があると長老が関係者を招集して行った儀式、それが「ホオポノポノ」だったわけです。
詳しい内容は現在本に書いている最中なのでここでは書けませんが、今の裁判のような、家族会議のようなものだったらしい。
アルファベットで綴ると「hoʻoponopono」。
hoʻoは使役動詞で「~させる」みたいな意味で、 ponoponoのponoは「正しい」という意味、ponoponoになると「正しく調整する」「調和させる」みたいな意味。
つまり「正しい状態にさせる(調和させる)」ということなわけです。
そのために開かれた儀式、広い意味では、正しい状態になる努力をすることが「ホオポノポノ」。
ですから日本語では「ホ・オポノポノ」ではなく、どうしても区切るのだったら「ホオ・ポノポノ」の方が本来のハワイの意味に近いでしょう。それに無理やり区切ることはないような気も…。
Wikipediaにも「ホ・オポノポノ」と表記されているのはいかがなものかと思ったりして…。
先ほどの『ありがとう』『ごめんなさい』『愛してます』『許して下さい』というワードを言って…というのもキリスト教の考え方で作られたホオポノポノ。
キリスト教を信仰している人に分かりやすく説明するために編集されたもの。
実際に古代のハワイアンはそんなことを唱えていたわけではありません。
ヒューレン博士の師匠?であるシメオナ女史というのはハワイ州の宝とも言われたすごい方。
「家族のためのホオポノポノ」は、最終的には個人が平穏でバランスの取れた心を持っていれば達成できる、とシメオナ女史は考えて「セルフアイデンティティ・ホオポノポノ」を提唱。
ヒューレン博士がそれをキリスト教の人々に分かりやすく現代風に翻訳した、ということのようです。
ハワイアンの研究家のなかには「あれは本当のホオポノポノではない。ハワイアンの本当のアロハな文化を踏みにじっている!」と怒っている方も多いようですが、まあ、キリスト教の信者が幸せに暮らすためのノウハウ本と考えればいいのではないでしょうか。
いずれにしても、個人としての「ホオポノポノ」というのは、「アロハ」の心、つまり自然を、自分の生きている世界を、そして仲間を心から慈しんで大切に思う愛の心をしっかりと持つこと。
そういう訓練をして、そうあろうとする強い心を持つ努力をして、少しでも心にさざ波が起こったらそれをコントロールすること。そういうことなのではないでしょうか。
決して、青い水を飲むことではない、と私は思っています。
まあ、このような人の生き方が5分で分かるわけはないのですが、少なくとも正しいホオポノポノの理解の助けになれば。
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