ハワイアンの「ポノ(pono)」と「ホオポノポノ(Ho’oponopono)」について|ハワイ流、心と身体そして人間関係を正しい状態にする幸せの方法

ポノ(Pono)とはハワイ語で「正しき状態のこと」、ホオポノポノ(ho’oponopono)とは「正しい状態を創ること、正しい状態を保つこと、正しい状態に戻すこと」という意味のハワイ語で、古代からハワイアンが幸せな日常を送るための様々な知恵のことを指します。

ハワイアンがもっとも大切にしているハワイ語のひとつです。

自分自身が温和で幸せな状態でいること、家族(オハナ)の関係が仲良く正しい状態でいること、住んでいる村(街)全体が平和で正しい状態でいること、そして自然も含めた地球全体が幸せで正しい状態にいること、さらに宇宙が正しい状態で機能し続けること…。

ハワイアンはすべての物事を「正しい状態にしたい」と考えていました。

そして自分自身を、家族を、村を、地球を、宇宙を正しい状態にする方法「ホオポノポノ」を考え、実践していたのでした。

ここではその方法「ホオポノポノ」について、長老たちからのインタビュー、文献からその意味や歴史などをくわしく解説したいと思います。

文:Noa Yoshi
📖
『ロミロミとハワイアンヒーリングの教科書』
『アロハヒーリング20の智慧』著者

ポノ(pono)というハワイ語

ハワイアンが大切にしているハワイ語のひとつに「ポノ Pono」があります。ハワイ語の辞書によれば

pono

1. nvs. Goodness, uprightness, morality, moral qualities, correct or proper procedure, excellence, well-being, prosperity, welfare, benefit, behalf, equity, sake, true condition or nature, duty; moral, fitting, proper, righteous, right, upright, just, virtuous, fair, beneficial, successful, in perfect order, accurate, correct, eased, relieved

善良さ、正直さ、道徳性、道徳的資質、正しいまたは適切な手順、卓越性、幸福、繁栄、福祉、利益、代理、公平、酒、真の状態または性質、義務; 道徳的、適切、適切、正義、正しい、直立、公正、好意的、公正、有益、成功、完璧な順序、正確、正確、緩和、安心

[Hawaiian Dictionary (Hwn to Eng)] https://wehewehe.org/

 

と訳されます。一言で言うと、
ポノとは、正しい状態のこと
ということになります。

宇宙が安定して正常な状態にあれば「宇宙はポノ」
地球が天変地異なく穏やかに機能していたら「地球はポノ」
人がイキイキと健康で笑っていられたら「その人はポノ」
ということです。

ハワイアンにとっての「ポノ」

ハワイ文化を大切に生きるハワイアンに「ポノ」とは?と問うと、様々な答えが返ってきます。

「元気でいることだよ」
「悩み事がないことだよ」
「人と喧嘩をしたりわだかまりを持たないことだよ」
「アロハに生きることだよ」
「戦争のない世界のことだよ」
などなど。

人、そして人間関係(とくにオハナ=家族の関係)が正常な状態であることを「ポノ」と認識しているハワイアンが大多数のようです。

ハワイのラアウラパアウのクプナ(薬草医療の老師)であるカイポ・カネアクア師は患者たちに
「幸せに生きたかったらポノでいなさい」
と言い続けています。

カイポ師によればポノな生活とは…

朝早く起きて
1日3食を規則正しい時間に
正しい(バランスのとれた)食事(栄養)を
適度な量で摂り
人に迷惑をかけず
人と争わず
自然のマナ(生きる力)を大切に考え
世の中のためになる働きをし
心穏やかに生きること

そして目指す「ポノな人間の状態」とは

幸せでいるために、心と体がクリアであること

なのだそうです。

だれもが知る通り、実際の(多くの)ハワイアンの生活はこのような聖人君子のような生活ではありません。

特に食に関しては、間食が多い、肉系を大量に食べる、ビールを水代わりに飲む…など、おきて破りの人が結構いたりします。

しかし、人に迷惑をかけずに、心と体をクリアでいるための術は身に付けている人は多いような気がします。

つまり生活的・肉体的にはポノでない部分が多いものの、精神的にはポノを保っているハワイアンが多いということです。

「ポノ」をどう保つのか、取り戻すのか

~ ハワイアンが昔から行ってきたホオポノポノ ~

「ポノ」でいるための日常生活での方法はたくさんあります。

基本的には、
自分自身を愛し
人を愛し
神(ハワイの場合「自然」)を愛し
行動すること

です。

また古代から「ポノ」にするために行われてきた方法もあります。それが「ホオポノポノ(Ho’oponopono)」です。

古代から行われてきた「ポノ」な状態にする方法のことを「ホオポノポノ(Ho’oponopono)」と言います。

「ホオ Ho’o(=~の状態にする)」とポノが組み合わされた言葉。つまり「ポノ(正しい状態)の状態にする」ことです。

ホオポノポノついてはヒューレン博士などの本がたくさん出ており、その多くが自己啓発本として紹介されていますが、実際のホオポノポノとはもう少し広い意味での「心と体がポノ」になるための方法論です。

ハワイアンにホオポノポノについて聞くと次のような答えが返ってきました。

「神様に逆らわないことだ」
「オハナ(一族・家族)を大切にすることだ」
「なにがあっても怒らないことだ」
「人と自然を愛することだ」

ハワイの医者の血筋を受け継いでいるラアウ・ラパアウ(薬草)師でもありロミロミ使いでも有名なカイポ・カネアクア師は常にことのように言い続けています。

「ホオポノポノは人が守らなければならない“生き方”のこと。そういう風に生きなければいけない、というガイド(指針)なんだ。人は「ポノ」を保って生きていかなければいけないんだ」

「人間は愚かで弱いから、たくさんの間違いをするだろ? 人間なんだから自分に甘くなったり、失敗することは仕方ないんだ。 間違いを犯したときに自分を責めたり蔑(さげす)むのではなく、神(天)に赦しを請うて間違いを繰り返さないことを誓う、それがひとりひとりのホオポノポノだ。」

「人が間違いを犯した時も同じだ。赦すんだ。だって人間は間違いを犯すものなんだからね。」

ホオポノポノの歴史

ざっと「ホオポノポノの歴史」についてまとめておきたいと思います。

ホオポノポノ(ホ・オポノポノと表記される場合もあります)は、古代からハワイで行われた生活の知恵です。

とくにカフナといわれる神と話をすることができる各分野の専門家(高い位の神官)が人々の生活を良くするために行っていた行為はすべて宇宙、島、人々が正常な状態にするための行為でした。また生活の秩序を決めた法律のような「カプ」も島の生活を正常な状態にたもつためのものでした。これらのことは「ホオポノポノ」のために行われていたわけです。

これらの知恵は、蓄積され、方法が確立されていき、ハワイアンの文化の中核になっていきました。

たとえばロミロミやラアウラパアウなどを行う長老などは、いまでも古代からの「ホオポノポノ」を実践しています。

その文化を現代の生活…個人の平穏、オハナの平和、世界の平和に活かせないかと考えたのが、モーナ・ナラマク・シメオナ(Morrnah Nalamaku Simeona|1913年5月19日 – 1992年2月11日)女史でした。

彼女はキリスト教や心理学などの現代の思想を使って古代から伝わるホオポノポノを現代の人に伝えようとしました。国連などでの演説をはじめとして全世界でプログラムを展開することで「ホオポノポノ」という言葉を広げ、ひとつの理論としてまとめました。

さらにそれを現代の自己啓発として解釈して広げたのがヒューレン博士、KR女史ということになります。「ホオポノポノ」のひとつの見方・理解の仕方ということです。

「ホオポノポノ」に多くの方法論や理解・理論があるのは、古代から伝わる「ホオポノポノ」をいろいろな宗教の観点、文化的な観点から解釈として広げたからです。

自分自身に合った、自分が理解できる「ホオポノポノ」を探していくのも大切なことなのです。

ホオポノポノの種類

文献やインタビューによるとポノになるためのホオポノポノには多くのレベルがあるようです。

「ホオポノポノは、今は人と人とのことだけだと思われがちだけど、本当は、自然とのホオポノポノ、神とのホオポノポノ、人とのホオポノポノ、その人自身のホオポノポノなど、もともとはもっと大きいもの」
ハレアカ・イオラニ・プレ(通称アカさん|夜の虹の向こうへ|高砂淳二著|小学館)

 

心のホオポノポノ、体のホオポノポノ。

心のホオポノポノにも社会(生活共同体)内の問題解決、オハナ(家族)内の問題解決、個人の心の問題解決などがあり、身体のホオポノポノにも様々な問題解決法があります。

 

心のホオポノポノ

儀式でのホオポノポノ

オハナ(広い意味での一族)の和を保つために行われていた儀式です。

家族内での裁判のようなもので不和を起こした者同士がわだかまりを水に流すために行われていた儀式です。オハナ(一族)が正しい状態であるために行われていました。


(文献引用)

ホオポノポノとは、祈りや議論、告白、懺悔、相互賠償、赦しや開放をすることで家族間の関係性を正しくリセットするためのハワイアンの伝統的な家族会議のことである。

(中略)

ホオポノポノは伝統的に、家族の長老が取り仕切った。ハワイアンは、自分の家族内に問題が起きた時、その問題について話し合うのを手伝ってもらうために、クプナ、つまり最年長のメンバーに頼った。クプナは家族を一同に集めて会議を行った。だがしばしば、家族内だけでは問題を解決することができないことがあり、その場合はカフナ・ラパアウのような外部の専門家に頼ることもあった。

ホオポノポノの手順

1. ククル・クムハナ(Kukulu kumuhana)
家族が直面している問題の確認、そして問題解決のための手順の確認。たいていはホオポノポノ・セッションの開会に先立っての説明となる。

2.プレ(Pule)
プレとは祈りのこと。ホオポノポノを仕切っている最年長者は、プレ・ヴェヘ(始まりの祈り)を行うことでセッションを開会する。(略)

3.ハラ(Hala)
ハラとは罪のこと。罪を明確にする。加害者と被害者をハッキリする。(略)

4.ホオマウハラ(Ho’omauhala)
マウハラは恨みや怒りのこと。一方が問題を解決しようと努力しているにもかかわらず、その相手が協力をしなかった場合、協力をしなかった者はホオマウハラ、つまり罪にこだわっている、恨みを引きずっていると指摘される。

5. ホオマル(Ho’omalu)
ホオマルは考え、反省するための沈黙の段階である。(略)「冷静になる」ための時間だ。瞑想の後に司会(長老)が平和を維持するための方法を提案する段階でもある。

6.ヒヒア(Hihia)
ヒヒアは加害者と被害者との間にあるネガティブな感情や反応、さらに相互の「もつれ」を理解すること。(略)

7.マヒキ(Mahiki)
マヒキとはトラブル(問題の部分)の治療のこと。家族が起こった事について話し合う時間のことである。(略)

8.ミヒ(Mihi)
ミヒとは赦しの時間のこと。告白し、悔い改め、赦すための時間である。(略)

9.カラ(Kala)
カラとは(その問題から)解放し、お互いが完全に自由になることである。

10.オキ(Oki)
オキとは肉体的、精神的に断ち切る。つまり終わらせること。(略)

11.パニ(Pani)
儀式はたいてい神に食べ物を捧げる事で終了する。浄化は祈りと共に行われた。

(Lynette Paglinawan,1976,p.89,106-108)

 

※引用文献はこちら


ホオポノポノをする場合に重要なのは次のような点であることがわかります。

●司会の重要性

長老のように第三者で問題解決をする必要があって分別のある人を司会者にすること。

●問題解決の手順

①何が問題になっていて話し合わなければいけないのかを確認する。
②祈り=心を落ち着ける時間を設けること
③相手の何が悪いのか、思っていることをすべて吐き出すこと
④冷静になる時間を設け、司会者が冷静に問題を整理して問題解決の方向性を示す。
⑤両者ともに解決に向けて話し合うが、この時に「自分の落ち度」をしっかり認識していることを相手に伝える
⑥相手が自分の悪い部分を認識してあることを受けて「水に流す=許す」ことで、お互いがすべてから解放されて終わらせる。
⑦ハワイアンの場合には、解決を神に感謝して宴会をする場合が多い。

この方法は次にお話しする「家族内のホオポノポノ」「個人のホオポノポノ」にも活かされています。


手っとリ早く知りたい方はこちら↓

5分でわかるホオポノポノ

家庭内でのホオポノポノ

現代の小さな単位でのオハナ(家族)でもハワイ文化を大切にしている者の家庭ではホオポノポノが行われています。

家族会議というよりは家族でお互いを理解するための集いのようなものです。

(文献引用)

モーナ・シメオナは子供の頃、ホオポノポノのための家族集会に参加した。それは、問題を正しい状態に直し、家族間のストレスを解決するための優れたファミリー・セラピーだった。家族の年長者によって行われ、セッションには祈り、問題の明確化、後悔や赦しによる問題解決、罪、恨み、憤りをもつ人々をそのマイナスの感情から解放することを含んでいた。
シメオナはこう言っている。
「ホオポノポノは私たち自身の中に平和や調和やバランスをもたらすために使うことができるツール。問題やストレスの原因から解放するために自分自身をもっと良く理解する助けとなるもの、それがホオポノポノなのだ」。
(Pat Pitzer, 1984, p.78,137-138)

※引用文献はこちら

ここでも昔からの「儀式としてのホオポノポノ」の手順が行われています。

長老が司会をする。

①問題の明確化
②祈り=心を落ち着ける時間
③意見・気持ちの吐露
④冷静になる時間・司会者が冷問題解決の方向性を提示
⑤話し合い・「自分の落ち度」の発言
⑥「水に流す=許す」時間

個人的なホオポノポノ

個人の心の中のホオポノポノについては多くのハワイアンにインタビューしましたが、先ほどのカイポ・カネアクア師の話に集約されていると思われますので、今一度載せておきます。

「ホオポノポノは人が守らなければならない“生き方”のこと。そういう風に生きなければいけない、というガイド(指針)なんだ。人は「ポノ」を保って生きていかなければいけないんだ」

「人間は愚かで弱いから、たくさんの間違いをするだろ? 人間なんだから自分に甘くなったり、失敗することは仕方ないんだ。 間違いを犯したときに自分を責めたり蔑(さげす)むのではなく、神(天)に赦しを請うて間違いを繰り返さないことを誓う、それがひとりひとりのホオポノポノだ。」

「人が間違いを犯した時も同じだ。赦すんだ。だって人間は間違いを犯すものなんだからね。」

ハワイアンは自分自身をホオポノポノするのが上手。日常生活にうまくポノになる方法を取り入れて楽しんでいます。

自然とオハナ(家族)、ホアロハ(友達)いう恵まれた宝をうまく利用しているのがポイントです。

  • 海を眺める、海で遊ぶ
  • 山や森、川で遊ぶ
  • アウトドアでBBQ
    ※肉中心で大量に食べるのは体によくありませんが
  • ひとりで好きなこと(趣味)をする
  • 友人と一緒に好きなこと(趣味)をする
  • スポーツで汗をかく
  • 瞑想やヨガ、SUPなどで自然と一体になる
    など

遊ぶことがいちばんの心のポノを保つ方法なのかもしれません。

もっと心のホオポノポノを求めている方は、次章「やってみようホオポノポノ」を一度お読みになってみてください。

身体のホオポノポノ

体を正常な状態(ポノ)にすることはあまり「ホオポノポノ」として認識されていません。

しかしながら、昔からハワイアンは心と体は一体のものと考えており、心の病が体に影響し、体の病が心に影響すると考えていました。

ですから「ホオポノポノ」は心と体、両方のために行われていたのだと考えて間違いありません。

実際に体を正常に(ホオポノポノ)するためには古代から「ホオマエマエ」「ロミロミ」「ラアウラパアウ」など多くの方法が使われました。

ホオマエマエ(hoʻomaʻemaʻe)

体をクリアにすること。つまり体に関しは「浄化」として使われます。

ハワイアンには昔から多くの浄化、デトックスの方法がありました。

●断食
●海水を飲む
●薬草を煎じて飲む、食べる
●竹製の器具で浣腸する
●ロミロミをする

ロミロミ(lomilomi)

古代ハワイアンは薬草とロミロミでほとんどの病気を治してきたといわれています。また健康を維持する方法としてもロミロミは使われていました。

詳しくは⇩
https://kuuipolomi.net/home/aboutlomi/

ロミロミ(lomilomi)

古代ハワイアンは薬草とロミロミでほとんどの病気を治してきたといわれています。また健康を維持する方法としてもロミロミは使われていました。

現代医学でも「マッサージ」はココロとカラダに対して様々な効果があるといわれています

■心への効果

  • リラックス効果
  • ストレス解消効果
  • 安眠効果

■体への効果

  • 血行やリンパの流れの改善
  • 疲労回復効果
  • 自律神経のバランスの改善
  • むくみ解消効果
  • ダイエット効果
  • 筋肉の緊張をほぐし、痛みやこりを和らげる
  • 筋肉の柔軟性を向上させ、運動機能を高める

詳しくは⇩
https://kuuipolomi.net/home/aboutlomi/

ラアウラパアウ(lāʻau lapa.ʻau)

ラアウラパアウとはハワイの薬草療法のこと。ハワイアンはあらゆる身の回りの植物を使って健康を保ち、病気を治していました。

(文献引用)

古代ハワイアンのヘルスケアにとって、ロミロミは欠かすことのできない大切な手段のひとつでした。それゆえにカフナ・ラアウ・ラパアウは可能な限りのことを行う必要がありました。祈ったり、わだかまりを無くす儀式をしたり、食べ物によって体や心をコントロールしたり、患者が治ったことを神に感謝する儀式までをすべて行うことで、人々の健康を守ろうとしていたのです。

引用文献はこちら

やってみよう、実践ホオポノポノ

家族・友人・職場など集団のホオポノポノ

人は集まるといろいろな人間関係の不具合が出てきます。

家族、友人関係、学校での人間関係、会社での人間関係。ときには隣人トラブルなども。

もちろん人間関係はややっこしいものですから、修復が不可能な場合もあります。

修復の難しそうな最悪な人間関係

ハワイアンの歴史を見ていると最悪の場合の行動は次の通りです。

●戦う
●逃げる
●上手く丸め込む
●無視する

勝てそうな相手とは戦う。
負けそうな相手からは逃げる。
頭の悪そうな相手は丸め込む。
関わらなくても支障のない相手は無視する。

とてもシンプルな対処法です。考えてみたら修復が不可能そうな相手への対処法ってこれくらいしかありませんよね。

あまりグチグチと時間をかけて悩まずに、シンプルにスパッと判断して楽しいことに時間を使う、これがハワイ流なのかもしれません。

修復できそうな、修復しなければならない人間関係

家族や職場などで、できるだけ関係を修復したい人間関係の場合には先にお話したハワイ式の「儀式としてのホオポノポノ」を参考にして人間関係の修復を図ってはいかがでしょうか?

できれば第三者、家族であればその時の問題にかかわっていない人に進行をお願いします。できれば年長の長老のような人にお願いするといいでしょう。

ホオポノポノの手順

①何が問題になっていて話し合わなければいけないのかを確認する。
②祈り=心を落ち着ける時間を設けること
③相手の何が悪いのか、思っていることをすべて吐き出すこと
④冷静になる時間を設け、司会者が冷静に問題を整理して問題解決の方向性を示す。
⑤両者ともに解決に向けて話し合うが、この時に「自分の落ち度」をしっかり認識していることを相手に伝える
⑥相手が自分の悪い部分を認識してあることを受けて「水に流す=許す」ことで、お互いがすべてから解放されて終わらせる。
⑦ハワイアンの場合には、解決を神に感謝して宴会をする場合が多い。


この手順は2人の問題解決にも使うことができます。
話し合う、それしか解決の道はないのかもしれません。

自分をホオポノポノする

前述のカイポ師は次のようにポノを説明してくれました。

「ポノな状態をイメージするには、海を思い浮かべると簡単だ。海がクリアな「凪(なぎ)」の状態、それがポノなんだ。荒れた海やさざ波の立っている海はポノではない。良くない状態なんだ。心と身体が波風の立っていない凪のようにクリアでバランスが取れている状態が保てれば、幸せでいられる」

「そのためにも規則正しくシンプルに生きることが大切なんだ」

心が乱れる前に「馬鹿になれ」?

しかしながら、心を「凪」のようにクリアな状態にするっていうのは現代社会ではかなり難しい。

体のホオポノポノは、自分の意思で体を動かしたり養生したりすることはできますが、特に現代社会で心をクリアにしておくのは至難の業ですね。

仕事では相手の弱点を探って競争に勝たなければいけないし、
嫌な上司の言うことは聞かなければならないし、
家庭でも家族は自分の思い通りにしてくれないし、
ママ友ともうまく付き合わなければいけないし、

落ち着いていたいのに、周りのいろいろな出来事が心を波立たせてきます。

カイポ氏はこう言います。

「ずっとポノでいようと思っても、それは無理。
喜怒哀楽があってこその人間なのだから、「怒」「哀」だけを感じない人間なんてないんだよ。
ただ、波風が立っても、できるだけ早く波風を治める方法を覚えることはできる」

では、その方法は?

「馬鹿になるのが一番。そして嫌なことをすぐに海に捨てることだよ」

おそらくこの「海に捨てる」を日本語にいいかえると「水に流す」なのだと思います。

考えても怒りが増すだけなのだったら、自分が損をするだけだから水に流して忘れてしまう。

そして自分の好きなことをやりたいように楽しんでやる。(人に迷惑をかけない範囲で)

それがホオポノポノの神髄なのだと思います。

自然とともに陽気で楽しく生きているハワイアンが、「いいかげん」に見えてときどき「大丈夫か?」と見える時があります。

でもそれは、我々(私)のポノでない歪んだ目で彼らを見ているからなのかもしれません。

多くの情報と様々な欲求で頭でっかちになっていて「賢くなった」と勘違いしている頭がそう判断しているのかもしれません。

考えてみれば「いいかげん」は「良い加減」。

「ポノでありたいのなら馬鹿になれ」

ある意味で、それこそが人生を楽しむ秘訣なのかもしれません。

草木花と話す、海に入る、水を飲む、そして日本では…

「馬鹿になれ」といわれても、なかなかいろいろなことを水に流していけないことがあります。

以下は、そういったときに乱れた心を正常な状態にするハワイの長老たちから教わったハワイ流の癒しの方法です。

●海に入る
脚だけでもいいから海に入って「浄化」する。波の音と海の浄化作用が心のわだかまりを楽にしてくれます。日本でも神社参拝前に海で禊(みそぎ)をするという習慣があったように、ハワイにもココロとカラダを清める効果があると考えられています。

●草木花と話す
草や木、そして花と話す習慣をつけると良い、といいます。自然や地球との一体感が心を大きく優しくしてくれるのだそうです。嫌な人にイヤなことを言われても相手が草木花だと思っていると腹も立たなくなるのだそうです。

●水を飲む
これは身体の浄化の方法として言われていることですが、一般お水が気持ちを変えてくれることがあるのも事実。ちょっと心が乱れたら試しに水をごくごくと飲んでみませんか?

●温泉に入る
これはハワイ流の「海に入る」の日本版です。近くに海がない場合、温泉に入る、というのもおすすめです。日本では伊勢神宮参拝の前に、榊原温泉で湯こごり(湯垢離)をしてココロとカラダを清めてからさらに二見ヶ浦の海で身を清めてから参拝するというフルコースの産廃方法があったといわれています。温泉には体に対する効果だけではなく、スピリチュアルな禊効果もあるといわれています。

それでも心がポノにならなかったら

それでもなにかモヤモヤする、やっぱり頭で問題解決したい、そのような時には先ほどお話した「ホオポノポノの儀式の問題解決のプロセス」を個人向けに使ってみるといいかもしれません。

儀式を整理するためにすべてを紙に書き出すと効果的です。

①何が問題なのかを明確にする
何に怒っていたり、何に悩んでいるのか、自分はどうなってほしいと考えているのかを明確にして書き出しましょう。

②祈り=心を落ち着ける時間を設けること
何らかの宗教を持っている人は祈る。持っていない人は最低1分間深呼吸をしてみる。
※落ち着くためには3秒吸って7秒で吐く、というのが効果的な呼吸法らしいです…

③相手の何が悪いのか、思っていることをすべて吐き出すこと
少し心が落ち着いた時点で、先ほど書いた問題点をさらに整理してみましょう。

④冷静になる時間を設け、司会者が冷静に問題を整理して問題解決の方向性を示す。
またいったん落ち着く時間を創ります。司会者は自分ですから、第三者的にできるだけ冷静に問題として書き出したことを見直してみましょう。意外とつまらないことで心が乱れていることがわかったりします。そして問題解決の方向性が見えてきたりします。
自分が忘れてしまったら済むことなのか、喧嘩であれば相手を誤らせれば済むことなのか、など頭が整理できてくるはずです。

⑤両者ともに解決に向けて話し合うが、この時に「自分の落ち度」をしっかり認識していることを相手に伝える
自分の落ち度も一度考えてみる必要があるかもしれません。すると解決方法が見えてくることも。

⑥相手が自分の悪い部分を認識してあることを受けて「水に流す=許す」ことで、お互いがすべてから解放されて終わらせる。
赦す、忘れる、そんなことで乱れたココロが落ち悔いてくることは多いものです。

⑦ハワイアンの場合には、解決を神に感謝して宴会をする場合が多い。
人を許したり、自分を許したりできたら、自分へのご褒美においしいものを食べてすべてを水に流してしまいましょう。

ロミロミとホオポノポノ

ロミロミでホオポノポノする

ハワイアンロミロミ(ハワイ式のリラクゼーションマッサージ)は訓練されたセラピストがホオポノポノするセラピーでもあります。

歴史的にも、イライラした喧嘩中の当事者たちをロミロミすることで冷静で優しい気持ちにさせていたりもしました。

身体を揉まれることで身体が軽くなるけではなく、心までもが癒され、優しく落ち着いてくるのです。

ですから、ロミロミをする聖職者が儀式を仕切ることも多かったといわれています。

ロミロミセラピスト自身がでホオポノポノされる

ハワイアンロミロミは患者(お客)様を癒すためのセラピーです。そのため、セラピスト自身の心の中にわだかまりや怒りがある間はロミロミをすることを禁じられています。

ロミロミがセラピストを通じて自然のマナ(生きる力)を患者(お客)様に吹き込んでいく必要があるからです。

わだかまりや怒りのある人の身体をマナは通ることができません。

ですからマナを通すべきセラピストは、ロミロミをする前にすべてのわだかまりや怒りを取り去らなければいけないのです。

優秀なロミロミセラピストは師匠からその方法を学びます。

心に波風がたたったとき、人間関係に波風が立ってしまったとき、ハワイアンロミロミでホオポノポノするのも一つの解決法なのかもしれません。