「パワースポット」「ヒーリングスポット」「神聖なお祈りの場所」…人によってその場所の感じ方や意味は違えど、『気持ちのいい場所』っていうのはあるもんです。私の経験した「気持ちのいい場所」を[Blessed Spot(祝福された場所)]として少しずつご紹介。
ほんと、このスポットを探すのには苦労しました。約2年半前、某出版社A氏とインディジョーンズ的な1日を費やして探したオアフ島の王家の癒しの聖地、まだ一部の癒しフリークにしか知られていない「カニアカププ・ヘイアウ」を私たちの不思議体験も含めてこっそりとご紹介したいと思います。
(旅行系WEBに以前掲載分ですがまだまだ情報として新しいので興味のある方に…)
ヘイアウって何?
自然の精霊を神として進行してきたハワイアンは、大地や神々のエネルギー「マナ」が強く宿る場所を、聖なる祈りの場所として大切にしてきました。
それが「ヘイアウ(神殿)」と呼ばれる場所。
ハワイのパワースポットとして紹介されてきた多くのスポットがこの「ヘイアウ」だったりするのを皆さんはご存知でしたか?
ヘイアウには、そのサイズや祀(まつ)る神様、役割によってさまざまな種類があります。
王様しか入れないノーブルなヘイアウから平民が日常の祈りを捧げるヘイアウまで格やサイズも様々、戦いの神や豊穣と平和の神、大漁と安全を海の神…などヘイアウの目的も様々、というわけ。
日本でいえば最大級の伊勢神宮から村の神社までがあり、その神社によって、たとえば学業成就とか安産祈願といった目的があるのと同じような感じでしょうか。
癒しのヘイアウ、ヘイアウ・ホオラ
こういった様々なヘイアウの中でもベスト・オブ・ヒーリングなスポットがあります。癒しを専門にする「ヘイアウ・ホオラ」です。
ここは王族の治療や医学の研究、そして医者(薬草やロミロミの専門家)の育成などが行われた場所。
心と体を安らかで正常な状態(ポノ)にする治療のパワーに包まれた気持ちの良いスポットで、各島に点在していたそうです。(今では数少なくなりましたが…)
オアフ島のヘイアウ・ホオラとしては「ケアイヴァ・ヘイアウ」がメジャー(とはいってもまだまだ知らない人の方が圧倒的に多いのですが…)。
今回は、まだ極めてマイナーなヘイアウ・ホオラ「カニアカププ」をご紹介
ヘイアウ・ホオラ、癒しの神殿「カニアカププ」
このカニアカププはオアフ島のヌアヌエリアにあります。ヌアヌパリで有名なあのエリアです。
私が最初に訪問した2年半前には現地のハワイの歴史フリークにしか知られていなかった場所。
最近でこそ日本語でもインターネットで少し目にするようになりましたが、まだまだ「知られざる秘密のスポット」と言っても過言ではないかもしれません。
初めての訪問(2年半前)の話。
数少ない情報の中、まず困ったのがこの遺跡への入口すら見つからないこと。
神聖すぎる場所だからなのかサイン類は全く無し。
ほぼ1日かけてインディジョーンズ的冒険の末にようやく探し当てた入口は、身長175㎝の私が少し腰を落としてやっと入れる程度の竹林に空いた小さな「穴」。
その穴(入口)を少し分け入ると少し広い道に出ます。
直進して90mほどの細い道を左折。
ここからまたプチインディージョーンズ的な細い山道になります。
このあたりのヌアヌの森はとても涼しくて心地よいスポット。
そよ風が過ぎ去っていくときに奏でる波のような森の音も心地よい。
しかしどこか重厚感のある空気が漂っています。
心と体のわだかまりがその場に溶け出していく、そんな感じが味わえるかもしれません。
そしてしばらくなだらかな坂を上っていくと忽然と遺跡が現れます。
これがカメハメハⅢ世の夏の別荘跡。
そしてその奥の方にはヘイアウの石垣が見えてきます。
この一帯を合わせて「カニアカププの遺跡」と呼んでいるようです。
遺跡へのアプローチで真っ先に目に入ってきたのは、雷で真っ二つに裂けてしまった大木。
それを写真に撮ろうとした同行者A氏のiPhone画面が真白になって動かなくなる、という不思議体験も。
画面が白いままフリーズする、のはめったにないことなのだそうですね。
私の一眼レフも大木に向けて数枚シャッターを切ったにもかかわらず、写真はすべて露出過多で写っていないという…。
やはり神聖な場所なのだな、と痛感しました。
でも、恐ろしい何者かにいたずらをされた、というのではなく、「この聖なる地にスマホなどという俗世間のものを持ち込んではいけないぞよ」と優しく諭された、そんな感じでしたけど。
恐るべし、聖なる癒しのパワー。
驚きの癒しのパワー
カニアカププは別名ルアカハ(Luakaha)といわれるとカラマ王妃のかつての夏の宮殿の遺跡。
遺跡自体は1845年にハワイ王国の首都がラハイナからホノルルに移った後、王と女王の夏の隠れ家となっていました。
そして1874年ころ廃墟となり、1950年代に再発見されました。
ここは古代からヘイアウ・ホオラのあった場所で、カメハメハ大王がオアフ島侵攻のときに、傷ついた兵士をこのヘイアウで治療したり休ませたりしたという逸話は有名。
そしてそのような癒しの力のある土地に王家の別荘を建てた、というストーリーがあるようです。 兵士をも癒す魔法の秘境、それがカニアカププです。
祈りの場所であるヘイアウは別荘の遺跡より奥にあったとされています。
歩き回っているとヘイアウ独特の石組があります。
おそらくこのあたりが祈りの場所だったのではないかと思われます。
耳を澄ますと水の流れと木々の触れ合う音、感じるのは爽やかな風と森の香り。
ここで時間を過ごすうちに大地と溶け合っていくような不思議な感覚を味わいます。
本来の癒しの力、とはこういうものなのか、ということを感じることができる時間でした。
カニアカププ、数少ない現存のヘイアウ・ホオラのうちのひとつとなっている貴重な場所です。
カニアカププについての詳細は下記のサイトから読み解くことができます。 興味のある方は是非。 (英文になります) https://en.wikipedia.org/wiki/Kaniakapupu
最後に…ヘイアウの訪れ方、アクセスなど
自由に出入りできますが、原則としてここは立入禁止のエリアになっています。
管理はState Historic Preservation Division of Hawaii’s Department of Land and Natural Resources (DLNR) with the help of the Historic Hawaii Foundationとなります。
(この時の訪問はHHFの許可によって行いました)
ハワイの聖地はハワイアンにとって神聖なる場所。
王家の聖廟にお参りをしてから行く、とか遺跡にアプローチする前にはプレ(祈り)を捧げるべき、などなど訪問方法には諸説があります。
私のハワイアンロミロミの師はこう言います。
「自分が信じている神に“これからハワイアンの大切にしている場所に足を踏み入れます”と断ること。そしてハワイアンのスピリットに“これからあなたたちの大切な場所に入らせていただきます”と心から声をかけることが大切」と。
特に石組みや遺跡の中に入ったり石を持ち帰ったり大声で話したりすることはタブー。
静かに素直な心で訪問しなければ癒しのパワーも与えてもらえないということを忘れずに。
場所はヌウアヌ・パリDr.にある、とだけ記しておきます。
入口は小さくて見つけにくいので、「行けたらラッキー」くらいの気持ちでトライを。
冒険気分でどうぞ。ただし重ねての注意ですが、ここはハワイアンの魂が宿る神聖な場所。本気で癒されたい人だけが訪れてください。
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