季節の変わり目の「なんとなく不調」をラクにする簡単習慣
「なんだか体が重い」「肩こりがひどくなった」「朝からだるい」「軽いめまいがする」…冬から春、夏から秋への季節の変わり目に、こんな体の不調を感じていませんか?
それ、実は寒暖差による自律神経の乱れが原因かもしれません。
今回は、体のしくみをやさしく解説しながら、日常生活の中でできる簡単なセルフケア方法をご紹介します。

なぜ、季節の変わり目は「なんとなく不調」が起きやすいの?
季節の変わり目は、朝晩の寒暖差が激しくなる時期です。1日の中で10℃以上も気温が変わる日もあり、これが体にとっては意外と大きなストレスに。
人の体は、本来「ホメオスタシス(恒常性)」という仕組みで、体温や血圧、心拍などを一定に保とうとする力があります。この調整をしているのが自律神経。でも、寒暖差が大きいと自律神経がフル回転し、疲れてバランスを崩してしまいます。
その結果、
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朝起きてもスッキリしない
- 身体がダルくて重い
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肩や首のこりがひどくなる
- 軽いめまいや立ち眩みがする
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頭がボーッとする
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イライラ・不安を感じやすくなる
など、さまざまな「なんとなく不調」が現れるのです。

近年の調査によると、日常的に「何となく調子が悪い」と感じている方は7割を超えているそうです。特に女性では約8割が、原因はよく分からないものの心や体の不快感を抱えているとのこと。男性でも6割以上が同じように感じており、「現代病」ともいえる一般的な症状なのです。
では、この「なんとなく不調」とはどのようなものを指すのでしょうか。
病院に行くほどではないけれど、だるい・疲れやすい・気分がすっきりしない…。そのような症状を自覚しつつ「年齢のせいかな」「そのうち治るだろう」とつい我慢してしまうことはありませんか? これこそが「なんとなく不調」です。
「なんとなく不調」症状TOP10
1位:目の疲れ(51.0%)
2位:疲れ・ダルさ(49.6%)
3位:肩こり(48.9%)
4位:頭痛・軽いめまい(47.2%)
5位:寝つきにくさ(38.5%)
6位:イライラ感(33.5%)
7位:腰痛(33.0%)
8位:不安感(31.5%)
9位:憂鬱(24.8%)
10位:鼻水・鼻づまり(22.8%)
※参考:ツムラHP
「なんとなく不調」には心の疲れと体の疲れがある
一口に「なんとなく不調」といっても、その背景は人によって異なります。代表的な症状は大きく「体の不調」と「心の不調」に分けられます。
●体の不調:目の疲れ、肩こり、頭痛、腰痛、寝つきにくさ、全身のだるさなど
●心の不調:イライラ、不安感、気分の落ち込みなど
体に現れる症状と心に現れる症状は、実は同じ原因(ストレスや生活習慣、スマホ・PCの使い過ぎなど)が絡み合っているケースが多いのです。
普通の暮らしの中にもある“落とし穴”には要注意!

「特別なことは何もしていないはずなのに、どうも調子が出ない」という方も少なくありません。でもその背景には、栄養の偏りや気づかないストレス、気象の変化、環境の小さな変化など、必ず何らかの原因が潜んでいます。
放っておくのではなく、体が発する“小さなSOS”を見逃さないこと、そしてできるだけ早く生活を見直して不調を解決することが大切です。
自律神経をいたわる、簡単セルフケア
ホッとできる時間を増やすことで、自律神経のバランスは少しずつ整っていきます。今日からできる簡単習慣を取り入れて、寒暖差ストレスに負けない体づくりを始めましょう。
1. 朝起きたら「太陽の光を浴びる」
カーテンを開けて太陽の光を浴びると、自律神経が目覚めます。体内時計もリセットされて、1日がスムーズに始まります。何よりも気持ちのいい習慣となるはずです。

2. 首・肩をゆっくり回して深呼吸
コリが気になるときは「吸って、吐いて」と深呼吸。ゆっくりと7つ数えながら鼻から息を吸って、1テンポおいてから、7つ数えながら息を口から吐く。これを数回続けるだけで交感神経が整って身体がポカポカと温かくなってきます。これは血液が正常に流れ始めたから。さらに首や肩を回しながらこれを行えば、驚くほど体が楽になりますよ。

3. お風呂はぬるめのお湯で10〜15分
温浴は最高の「なんとなく不調」対策。38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆったり浸かると、副交感神経が働きやすくなり、眠りの質もアップします。
首までつかる全身浴で10分~15分が最適。長くても短くても効果が薄れます。
ゆっくりとバスタイムを過ごしてリラックスしたい人は半身浴(みぞおち位まで浸かる)を15分~20分。水温は少し低めの38℃〜39℃にしてください。
時間のない日にはショートシャワーでもOK。5分~7分間の通常のシャワータイムに加えて、首と肩のあたりに巣アワーで40℃前後の熱めのお湯を当てるとカラダ全体が温かくなってきます。

4. 毎日のちょっとした運動
体を少しでも動かすことは、筋肉をほぐすだけでなく、硬くなった筋膜をゆるめ、血液やリンパの流れをスムーズにしてくれます。その働きが、心身の不快な症状改善につながるのです。
実際、毎日ほんの少し体を動かすだけで、積み重ねが大きな変化を生み、「なんとなく不調」から解放される助けになります。
ちょっとした工夫でできる運動習慣
●朝30分だけ早起きして近所を散歩する(30分でおおよそ2〜3km)
●出勤時に一駅分歩いてみる
●駐車場ではあえて店から遠い場所に車を停める
●エスカレーターを使わず階段を選ぶ
●空いた時間にストレッチ(腰をぐっと伸ばす、ひねるだけでもOK)
●眠っているジムの会員証を使い、週1回だけでもトレーニング
●テレビを見るときはバランスボールに座る
●YouTubeなどを見ながら5分間のストレッチ
どれも特別な準備がいらない、取り入れやすい工夫ばかりです。

続けるためには「ご褒美設定」が効果的
実は“始める”より“続ける”ほうが難しいもの。多くの人がつまずくポイントもここです。そこでおすすめなのが「続ける仕組みづくり」。
●10日続けられたらちょっと美味しいものを食べる
●1ヶ月できたら欲しかったバッグを買う
といった形で、自分へのご褒美を設定してみてください。モチベーションの維持に役立ちます。
無理なく取り組んでいけば、2週間ほどで「体が軽くなった」「気分が上向いた」といった変化を実感できるはずです。

5. 自律神経を整えるための食事
私たちの体と心の調子を大きく左右する「自律神経」は、日々の食生活からも影響を受けます。バランスのよい食事を心がけることで、乱れがちな交感神経・副交感神経の働きをサポートすることができます。
① ビタミンB群を意識する
ストレスで消費されやすいビタミンB群は、自律神経を整えるうえで欠かせません。豚肉、レバー、卵、大豆製品、玄米などを積極的に取り入れましょう。
② マグネシウムとカルシウムで緊張をゆるめる
神経の高ぶりを和らげるには、カルシウム・マグネシウムが効果的です。小魚、海藻類、ナッツ類、緑黄色野菜などがおすすめ。夜は温かい牛乳や豆乳で心を落ち着けるのもよいでしょう。
③ 発酵食品で腸内環境を整える
腸は“第二の脳”とも呼ばれ、腸内環境が自律神経の働きに直結します。ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌汁などの発酵食品を毎日の食卓に。
④ カフェイン・アルコールはほどほどに
コーヒーやお酒はリラックス効果もありますが、過剰摂取はかえって自律神経を乱す原因になります。特に夜のカフェインは睡眠の質を下げるので注意が必要です。
⑤ 季節の食材でリズムを整える
旬の食材は、その時期に体が必要とする栄養素を多く含んでいます。春なら山菜、夏はキュウリやトマト、秋はきのこ類、冬は根菜やみかんなどを取り入れると、自然と体のリズムも整いやすくなります。

6. 「ロミロミマッサージ」で心も体も深くリラックス
ハワイに伝わる伝統医療をルーツとしたロミロミは、現在ではハワイアンマッサージとして広く知られています。近年ではハワイ大学をはじめとした研究機関により、科学的な効果を裏付ける報告も行われています。
こうした効果は、私たちが日常で感じやすい「なんとなく不調」の解消に大きく役立つと考えられています。
ロミロミで期待できる主な効果
●老廃物を流して体を軽くする
リンパの流れを促し、デトックス効果を高めることで、疲労感やだるさを和らげます。
●筋肉のこりや痛みの緩和
深い圧で筋肉をほぐすことにより、肩こりや腰の重さが改善しやすくなります。
●全身がゆるむことで頭や目もスッキリ
筋肉が緩むと、頭痛や眼精疲労なども軽減され、心地よいリフレッシュ感が得られます。
●心身のリラクゼーション
体だけでなく心もほぐれ、寝つきが良くなり、イライラ・不安・気分の落ち込みがやわらぎます。
●血流改善による若々しい体へ
血液やリンパの循環が良くなることで冷えやむくみが軽減し、体が軽く感じられます。
●自然治癒力のサポート
免疫機能が高まり、病気にかかりにくい体づくりに役立ちます。
●腸内環境を整える作用
便通を促し、胃腸の働きがスムーズになることで“内側からすっきり”を実感できます。
●何よりも「気持ちよさ」そのものが効果に
心地よさを味わう体験自体が、心と体の回復につながります。

無理なく、やさしく、少しずつ
季節の変わり目は、体調がゆらぎやすいのが当たり前。だからこそ「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎず、できることから少しずつがポイントです。
心と体をゆるめて、自分をいたわる時間を大切に。
春をもっと心地よく迎えるために、まずは今日のセルフケア1つだけ試してみてくださいね。